帯状疱疹ワクチンについて(弱毒生ワクチン、シングリックス®︎)

最近、急に「50歳以上の方は帯状疱疹ワクチン接種を〜」という CMが流れ始めたことに気付いてる方は多いと思います。

 

そうなのです。最近、急に帯状疱疹の患者が増加しているのです。

つい最近もジャスティンビーバーが帯状疱疹が原因で生じた顔面神経麻痺(ラムゼイハント症候群)になってワールドツアーを延期すると発表したというニュースもありました。

 

発症増加の理由はいろいろあるのですが、

コロナ禍であるということもひとつの理由になっているようです。

 

もともと高齢化社会になって発症好発年齢の方がふえている。

コロナ禍でストレスがたまってる。

コロナに発症後で体力が落ちてる人がおおくなってきてる。

また、子供や孫との接触をさけることにより、水痘ウイルスとの接触がなくなりブースター効果がなくなり抗体がさがっている

また、コロナワクチン接種後に一過性のリンパ球減少が生じることも帯状疱疹の発症を増加させる一因になってるのではというスペインからの報告もあります。

 

などなど、、

 

そんなこんなで、帯状疱疹を予防しよう!重症化を防ごう!ということで国をあげての活動が始まったわけです。

 

では、帯状疱疹についてと、帯状疱疹ワクチンについての詳細を以下にまとめます。

 

 

帯状疱疹とは

→幼少期に感染する水痘ウイルスが原因の疾患です。

 日本人の約90%以上に水痘ウイルスが体内に潜伏していると言われています。

 症状は体の片側の一部にぴりぴりした痛み、水疱、発疹が発症し、抗ウイルス剤投与で治療します。

※特徴

 ・神経に炎症をおこし、痛みが強くなる場合があります。

 ・50歳以上から発症率が高くなり、日本人の3分の1が80歳までに罹患するといわれています。

 ・免疫力が低下(加齢、疲労、ストレス、糖尿病やがんなどの疾患など)が発症のきっかけになること

  があるといわれている。

 ・皮膚症状がおさまったあとも、半年から1年以上もの長期間痛みがつづくことがあります。

  これを帯状疱疹後神経痛といい、50歳以上の帯状疱疹に罹患した方の約2割が帯状疱疹神経痛

  になるといわれています。

 

 

帯状疱疹ワクチンとは

→帯状疱疹の発症予防、重症化予防をするために、帯状疱疹ウイルスの毒性を弱くまたはなくし、あらか

 じめ投与することで免疫が素早く働くように促すためにおこないます。

 

・帯状疱疹ワクチンの対象者:50歳以上のすべての方

 

・ワクチンの種類

 2016年に認可された「弱毒生水痘ワクチン」

 :弱毒化された生きたウイルスが含まれる生ワクチンで、小児に使用する水痘ワクチンと同じ

 2020年に認可された「シングリックス®︎」

 :帯状疱疹を予防するために独自に開発されたワクチンで、サブユニットワクチンという種類

  ウイルス表面のタンパクの一部を抗原とした組換えワクチンで、生ワクチンではない

 

水痘ワクチンと帯状疱疹ワクチンの比較表
 

乾燥弱毒生水痘ワクチン

シングリックス

帯状疱疹発生抑制効果

51.3%

※1

50歳以上 97.2%

70歳以上 89.8%

※2

帯状疱疹後神経痛抑制効果

66.5%

※1

50歳以上 100%

70歳以上 85.5%

※3

接種方法/回数

皮下注射/1回

筋肉注射/2回

接種間隔

-

1回目の接種から2か月後に 2回目の接種を行う。

※2か月を超えたら6か月後までに2回目の接種を行う。

適用年齢

 

禁忌

50歳以上

 

・製剤へのアレルギーのある方

・免疫不全者 (化学療法中、ステロイド投与中など)

・妊婦 ・カナマイシン、エリスロマイシンにアレルギー  反応のでたことがある方

注)ワクチン接種後2ヶ月以内は妊娠を避けてください

50歳以上

 

 

 

 

 

・製剤にアレルギーがある方

費用

8,800円(税込)

50,000円(税込)

※2回分の費用合計

1回分は25,000円

副反応

接種部位の痛み、腫脹、発赤

※3日~7日で消失

接種部位の痛み、腫脹、発赤、筋肉痛、倦怠感、頭痛
※3日~7日で消失 ※水痘ワクチンより副反応が強く出る可能性あり

長所・短所

長所
・費用が安い
・接種回数が1回
短所
・予防効果が落ちる (5年に1回接種するのがのぞましい) ・免疫低下している方には接種できない

長所
・予防効果が高い

・免疫低下している方にも接種できる

短所
・費用が高い
・接種回数が2回

・副反応が比較的強い

予診票

PDF

PDF

※1.Oxman MN,et al. N Engl J Med.2005;352(22):2271-2284.
※2.Lal H. et al.: N Engl J Med.372(22),2087-2096,2015
※3.Cunningham AL. et a.:N Engl J Med.375(11),1019-1032,2016

 

帯状疱疹ワクチンと他のワクチンとの接種スケジュールについて

 

①弱毒生ワクチンの場合

 

・不活化ワクチン(インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなど):接種間隔制限なし

・新型コロナワクチン:お互い片方のワクチンを受けてから2週間後に接種可能

・他の生ワクチン(BCG、MR(麻疹風疹)ワクチンなど):27日あけて接種

 

②シングリックス®︎

 

・不活化ワクチン(インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなど):接種間隔制限なし

・新型コロナワクチン:お互い片方のワクチンを受けてから2週間後に接種可能

・生ワクチン(BCG、MRワクチンなど):接種間隔制限なし

 

以上長くなりましたが、ワクチンについてまとめてみました。

 

内容確認の上、どちらを接種するか検討いただき、接種希望の方は当院に電話にて希望するワクチンの種類をお伝えいただき、事前予約をお願いいたします。

045−681−1212

予約をいただいた後、ワクチンの注文をおこないます。

直接お越しいただいても、ワクチンの用意がございませんので、かならず事前の電話での予約をお願いいたします。

また、シングリックス®︎につきましては、1回目の接種のときに2回目の接種の予約もとっていただきます。

1回目の接種にて副反応が強く、2回目の接種が困難と思われるときは早めにご連絡をお願いいたします。

2回目接種の目前ですと、ワクチンの注文をしてしまっているため、キャンセルをお受けできない可能性もありますことをご了承ください。2回目接種1週間前までにはかならずキャンセルのご連絡をお願いいたします。

 

また、上記比較表の下部に予診表を添付してございます。

来院前にプリントアウトいただき、記載の上ご持参いただくと来院後の時間短縮が可能です。

ぜひご持参いただればと思います。

 

自治体によっては補助がでるところもあるようですが、横浜市はまだ残念ながら助成はありません。しかし、企業によっては助成がある場合もあるようですので、お勤めの会社にご確認いただければと思います。

 

その他不明な点がございましたら、直接医師にご確認いただければと思います。

ぜひお気軽にご相談ください。